お約束
この記事をまねしてエンジンを壊したり、ケガをしたとしても漂流工房では責任は取れません。
まねして作業をする場合は自己責任でお願いします。m(__)m
この記事はあくまでも漂流工房での作業記録としてアップしている物です。
ってお約束書いてたら友達が「エンジンの分解なんか自宅でやるような奴おらんからまねされることもあらへん!」と。
そりゃそうだよなあ。こんなめんどくさい事まねする訳ないよな。(笑)
2013.04.01.のお話し。
シリンダーの表面に小さいけど傷があるのが発見されたのでこれが原因かもしれないとは思ったのですが、漂流工房でシリンダーボーリングは出来ません。
そこでこんなSST(スペシャルサービスツール、特殊工具のこと)を買ってきました。
「エンジンシリンダーホーニング」という工具です。
エンジンのシリンダー内に入れて、ドリルで回すと3本の砥石が回転してシリンダーの内側を均一に削ってくれる工具です。
使う時は砥石にエンジンオイルを塗ってから研磨開始。
使っている時はこんな感じで、シリンダーの中を磨いています。
磨き終わった直後
オイルと研磨で出たとぎ汁が付いています。
当然このとぎ汁はパーツクリーナーできれいに洗い流します。
エンジン内に残っているとオイルと共に運ばれて各部の摩耗の原因になるから徹底的にクリーニングです。
ホーニングで傷が消えるまでやるのが本当なんでしょうが、構造上、正確に真円に削ることは出来ないのと、あまりやり過ぎて削りすぎると補修用のオーバーサイズピストンやピストンリングが必要になるので傷が薄くなった所で終了です。
これでこのSSTの出番は終了かな。
(^^ゞポリポリ
次は外したピストン。
ピストンスカートの部分には走行距離相応の摩耗がありますが、特に問題になるほどの摩耗ではないのでサンドペーパーで表面だけちょっと修正。
こちらが修正前
修正後
ピストンリングの下にカーボンなどが詰まっているといけないのでピストンリングも外してチェックしてみます。
まあ、この辺になってくるとやらなくても良いんだけど、私自身がどのくらい汚れなどが付着しているかみたいという方が正しいですね。
(;^_^A アセアセ
3本有るピストンリングにはそれぞれ役割があり、それぞれ形状が違います。
取り付け場所や裏表を間違えないように特徴をメモしておきます。
EF型エンジンの場合のピストンリングのはめ方はこうなっています。
上から1番と2番が、燃焼したときの圧力に耐えて排気漏れを起こさないようにするリング。
3番目の折りたたんであるようなリングが、シリンダーの表面の余分なオイルを書き落として燃焼室内にオイルが入らないようにするリング。
通常はこの3番のオイル書き落としリングがスラッジなどで固着してシリンダーとの気密性を保てなくなるとオイル上がりが発生します。
幸いスラッジの付着はなかったので一安心。
こんな感じで3気筒とも全て修正出来たらピストンの組み立てです。
ピストンをシリンダーに挿入するためのこれまた専用工具SST、「ピストンリングコンプレッサー」です。
これはピストンリングをあらかじめ押さえて置いてシリンダーへの挿入を楽にするための道具です。
楽にすると言うよりはこれがないとピストンがシリンダーに入らないんですけどね。
ピストンにピストンリングコンプレッサーをセットして、ラチェット機構を利用してピストンリングを縮めます。
ピストンの向きを確認してからシリンダーに挿入。
後はポストンをシリンダーへ、木の棒などで押し込めなオッケー。
次はクランクとコンロッドキャップを組み付けます。
コンロッドごとにキャップが違うのできちんと元の部品同士を組み立てます。
キャップにはメタルも入っているので落としたりしないように注意です。
トルクレンチで締め付け不良がないようにきちんと締め付けます。
3気筒分繰り返して組み立て出来たところで今日はここまで〜。
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